シェラザード [オリジナルカクテル]
昔々、そのまた昔、とある国に一人の王様が居ました。その名は、シャリアール。
ある日、シャリアール王が王宮に戻り、后を驚かせようと静かに寝室に向かったのですが、そこで見たものは、后が従者と不貞をはたらいている光景でした。シャリアール王は従者と后の首をはね、そして誰をも信じない冷たい心を持つ者となってしまいました。
后が居ないのでは、王宮の体面が保てません。そこで、ハーレムから後妻を迎えることになるのですが、初夜を迎えた翌日、その妻を殺してしまうのでした。それも、毎日、そしてその所業は3年間も続きました。
シャリアール王は、実はそんな残虐なことをするような人間ではありませんでした。いえ、残虐どころか良い王であり、かつては民に信頼されている素晴らしい王だったのです。
昔の王に戻って欲しい。
シャリアール王を愛する一人の姫が居ました。王に仕える大臣の娘です。姫は自ら王の妻になることを望み、大臣が泣いて止めるのを振り切り、王の妻となりました。
婚礼を終えた初夜、姫は王に話をします。その話はとても面白く、王は非常に興味深く耳を傾けていました。
で、その後はどうなるのだ?
シャリアール王がそう言うと、姫は、
あら、王様。もう朝ですよ。お祈りの時間です。
お急ぎにならないと、神官の方々が大広間でお待ちですよ。
このお話の続きは、また今夜いたしましょう。
夜になると姫は、
王様。お話の続きは、どうなさいましょうか?
と言いました。シャリアール王は、続きが気になって仕方がありません。
早く。早く続きを聞かせるのだ。
姫は優しい微笑みを浮かべ、それでは・・・と話を続けました。
朝のお祈りがあるので、いつも話は途中で終わってしまいます。人間不信になったとはいえ、国をまとめあげ豊かにしていくことは一国の王としての当然の責務ですから、昼間は話を聞いている暇がありません。シャリアール王は少しでも早く話が聞けるようにと、国政に対し意欲的に務めていました。
姫の話は毎日毎日続き、そしていつしか3年間の月日が流れました。シャリアール王と姫の間には、子供も生まれました。シャリアール王は、はたと気付きました。姫を愛していること、そして生まれた子供も愛しいこと。
そう、いつの間にかシャリアール王の心は、いやされていたのでした。
シャリアール王は昔のような優しい王に戻り、そして、より一層豊かになれるように、国と民のためにその身を捧げたのでした。
シャリアール王の心を開かせた姫、その名は、
シェラザード
素材 | 推奨銘柄 | 分量 |
---|---|---|
ドライジン | 30ml | |
アーモンドリキュール | DISARONNO AMARETTO | 10ml |
スロージン | 10ml | |
フレッシュレモン | 10ml | |
シェイク&カクテルグラス |
甘酸っぱく、リキュールとベースのジンの風味がマッチしているカクテルです。アルコールは20%前後(計算してませんが)といったところなので、結構強いと言えばそうなんですが、私の嗜好からするとジンが45ml、他の材料が5mlずつって方向に走りそうなので、それを考えると結構飲みやすい方かと。味は、もちろん飲みやすくおいしいものとなっています。
前段の話は、もうおわかりですね。千夜一夜物語(アラビアンナイト)が語られたエピソードです。アラジンの魔法のランプ、シンドバッド航海記、アリババと40人の盗賊などが語られた千夜一夜物語です。
※アラジンとアリババの話は、フランス語に訳された際に追加された話らしく、
原本となるアラビア語の写本には出てこないそうですが。。。
DISARONNO AMARETTO(アマレット)の風味は、私にとっては夜をイメージさせるものです。そこで、夜と言えば誰でも知っている千夜一夜物語の逸話から、シェラザードという名を選びました。
カクテルを作るにあたっての話は、また次回ということで。なんせ、前説だけでも量があるので、記事全体が長くなって、自分で書いてても読むのが面倒になったのでね(苦笑)。
あ、そうそう、忘れてました。
新年 明けまして おめでとうございます
本年も どうぞよろしくお願い致します
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